株式会社Runway labo.(ランウェイラボ)

2024年7月1日

【2022年度版規格改訂】ISMS(ISO27001)改訂「改訂の流れ」

前回はISO27001の改訂について「新しく追加された項目について」の解説をしました。

どんな新規追加管理策があるのかを把握できたところで、気になるのは「どうやって改訂作業を進めていくか」ですよね。
やみくもに進めるのではなく、全体像をみてからの作業は効率性だけでなく、スムーズな審査通過にも繋がります。

そこで、ISMS(ISO27001)改訂シリーズ最後となる第3部は【改訂の流れ】について解説していきます。

目次

修正が必要な文書
 修正が必須の文書変更概要
ISMSマニュアル規格本文の変更内容を反映
適用宣言書全面的見直し
情報セキュリティ手順書新規管理策追加/構成見直し
内部監査チェックリスト変更内容を反映/新規管理策追加
マネジメントレビュー報告書考慮事項の追加
ISMS文書一覧表各文書の見直し結果反映
修正が必要な文書変更概要
情報セキュリティ継続計画書
情報セキュリティ継続報告書
5.30事業継続のためのICTの備えを考慮
運用チェックリスト必要に応じ、新規項目を追加
リスクアセスメント報告書
リスク対応計画
必要にお王子、新規管理策追加
委託先審査票5.23クラウドサービスの利用における情報セキュリティを考慮
ISMSハンドブック必要に応じ、新規項目を追加
年間計画表必要に応じ、新規項目を追加
ISMSマニュアル
管理策のステータス
2.引用規格

ISO/IEC27001:2022 情報セキュリティ、サイバーセキュリティ及びプライバシー保護-情報セキュリティマネジメントシステム-要求事項

変更ポイント
第2条【適用規格】パートの「年数」の修正です。
尚、【引用規格】部分についても、「JIS Q27001:2014→JIS Q27001:2019」のように年数の変更が必要となりますので、細かい部分を見落とさないように注意しましょう。
管理策のステータス
6.2 情報セキュリティ目的及びそれを達成するための計画策定

当組織は、次の事項を満たす情報セキュリティ目的を関連する部門及び階層において設定し、「有効性評価表」に記録する。
・・・
d)監視する
・・・

変更ポイント
・情報セキュリティ目標管理シート→有効性評価表に変更
・進捗を確認→d)監視が加わる
・どのように達成するかについての具体的な事項が明記された
管理策のステータス
6.3 変更の計画

g)文書化した情報として利用可能な状態にする。
 当組織は、ISMSの変更を行う場合、計画的な方法で行う。

管理策のステータス
8.1 運用の計画及び管理

また、計画の実施に関しては、以下を考慮する。
・・・
c)外部から提供されるプロセス、製品又はサービスを明確にし、確実に管理しなければならない。

変更ポイント
「外部委託から→外部から提供される」と、主語が変わった。
管理策のステータス
9.2.1 一般

当組織のISMSが次の状況にあるか否かに関する情報をトップマネジメントに提供するために内部監査を実施する。
a)次の事項に適合している。
 1)ISMSに関して、当組織が規定した要求事項
 2)ISO/IEC27001:2022規格の要求事項
b)有効に実行され、維持されている

変更ポイント
ISO/IEC27001:2017→ISO/IEC27001:2022に年数の変更。
管理策のステータス
10.1 継続的改善/10.2 不適合及び是正処置

旧:10.1 不適合及び是正処置
  10.2 継続的改善

新:10.1 継続的改善
  10.2 不適合及び是正処置

変更ポイント
10.1と10.2の項目の順番が逆へと変更。
情報セキュリティ手順書
1.新管理策番号で手順書を作り直す。(コンサルと契約している場合は、雛形をもらいましょう)
2.第2部を参考に比較し、必要に応じて転記する。
3.現行文書内で、旧管理策番号の引用がされている場合は追記等の対応を行う。
4.新管理策で規定する内容は、お客様の状況を考慮したルールに修正する。
適用宣言書
1.新管理策番号で適用宣言書を作り直す。(手順書と同様に雛形があればもらいましょう)
2.第2部を参考に比較し、現行の、適用/除外を転記する。
3.新管理策において、状況を考慮し、適用/除外を決定する。
改訂後の審査までの流れ

規格改定対応にあたり、ISO/IEC27001:2022では、以下の3つを要求しています。
未実施の場合は、審査で「不適合」になる可能性があります。

ポイント1
重大な変化が生じた場合に、情報セキュリティリスクアセスメントを実施しなければならない。
(8.2 情報セキュリティリスクアセスメント)
ポイント2
附属書Aに示す管理策と比較し、必要な管理策が見落とされていないことを検証する。
(6.1.3 情報セキュリティリスク対応)
ポイント3
重大な変化が生じた場合に、独立したレビューを実施しなければならない。
(5.35 情報セキュリティの独立したレビュー)
まとめ

ISO27001の改訂シリーズ、最後となる第三部は「改訂の流れ」について解説しました。

見落としがちな年数の修正や、ニュアンスや内容の変更など様々です。
どの文書の、どの部分の修正が必要なのか、大まかな改訂内容とながれを予め把握しておくことで、スムーズな改訂作業にお役立ていただければ幸いです。

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この記事を書いたのは、株式会社Runway-labo.で情シスのアシスタントをしているAnya。趣味はピラティスで身体を動かした後に餃子とハイボール片手に昼飲み。そしてコナン君をこよなく愛する。

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